メルマガ【BlueWill】牧場便り~七転八倒エピソード6~
今回は水やりについて語ります。
以前に畑の土が粘土質であり、畑をするのに
作業効率最低の環境であるということは、
少しお話しをしたと思います。
もちろん、どんな土も向上は出来ますが、
その労力が大きいのでベテラン農家でも
初めての土地では「何が作れるか?」から
入らなくてはなりません。
土は非常にややこしい物質で、いまだに解明
し切れていないものですから、
土と飛行機はよく似ていると言えます。
飛行機も何故空を飛ぶのか、その理屈は未だに
よく分かっていませんが、とりあえず飛べます。
土も未だにどういう物質か分かっていませんが、
畑にして作物を育てるおおよその方法は解明
されています。
ただ、飛行機は大体どこでも同じ飛び方で飛べる
んですけど、畑は土地が変わればまたほとんど
理解不能なものになる理不尽さがあります。
ワイン畑なんかだと数メートルでかなり別の
質のぶどうが出来上がるくらいです。
そんな感じで土に振り回されていたので、
水やりのことをすっかり忘れていました。
そもそも家庭菜園すらしたことのない、農業に
全く興味のなかった人間がいきなり取り組むん
ですから、
失敗するなんて目に見えています。
そこで、最初の作物は失敗を前提に作ってみる
ことにしました。
まずは強い作物としてフィジーでも有名な
「キャッサバ」と「とうもろこし」です。
とうもろこしはPHを下げる役割もありますし、
キャッサバは手間いらずの作物として有名です。
結果は、当然のごとく大失敗(笑)
キャッサバは幾つか死に絶えていますし、
トウモロコシは全く大きくならずに最後は
雑草のように刈り取ってしまいました。
それから「やはり水はいるだろう」という
ことに気付いて大量のホースを購入しました。
僕の中ではホースに等間隔で穴を開けて、
その中に水を通せば蛇口をひねるだけで
畝全体に水が回るだろう、
という予測が立っていたからです。
しかも、水やりは朝の内又は夕方に
一気にやる必要があります。
あの広さの畑をホース一つでやろうとすれば
一人だと一日かけてようやく水やりが完了する
広さですから、
雨乞いの祈祷を覚えるのか、水やりの自動化
システムを作るのか、方法は二つに一つです。
もちろん、現実的な僕は水やりのシステムを
作る方に尽力するんですが、
これも大失敗をして水圧が弱すぎて最初の穴から
水が出て畝の後半では水は全く出ていないという
状況になりました。
そこで、今度はポンプから直接畝の水やりホース
に接続をしてプレッシャーを最大にして全体に水
が行きわたるようにしました。
すると・・・・あまりの水圧に前半の畝が破壊
されてしまい、案の定大失敗となりました。
また後半部分には同様に水が行きわたらず・・・。
どうやらある程度の長さまでしか水圧は届かない
ようなんです。
それからも水圧を調整する器具を取り付けたり、
ホースの長さを半分にして挑戦して、また失敗。
それからも散々の試行錯誤を経てようやく
水やりを成功させることは出来たんですが、
たかが水やりにここまで苦労をさせられることに
なるとは思いもよらず、
いい加減どこかから農業のプロを雇わなければ
ならないと本当に思い知らされました(笑)
ただ他の農家から学ぼうにも、フィジーでは
僕のやろうとしているような農業をやって
いる所は一つもないので、
参考にするところも非常に少なくて、何とも
毎日孤軍奮闘をすることになってしまってます。
養鶏・養豚・野菜・穀物、何故か全く新しい
やりかたでやろうとしていることが間違って
いると思いながらも、
現代の知識の宝庫であるネットを使って知識を
集めると、やはりこのやり方がフィジーという
環境ではもっとも論理的に正解だと思うんです。
それに僕の性格を考えると、これだけ難しいから
やれるのであって、簡単だとすぐに辞めてしまう
自信があります。
まぁ、まだまだ農業を始めて間もない身ですから
そんなに簡単に上手くいくなんて思っていません。
どんなことでも3年は努力を続けないと実を
結ばないと思っていますが、何と言っても相手が
農業ですから5年はかかると覚悟しています。
英語の時は3ヶ月くらいである程度まで覚えることが
出来たし、6ヶ月で何を勉強すればいいのか分からない
状況になりましたけど、
農業は本当に難しい・・・未だに一歩すら歩んで
いない感じがします。
ゲームで「のんびり牧場経営」みたいなものが
ありますが、
「農業をなんにも分かっちゃいない
想像の中で構築された世界だ」
と思う反面、
「そういう農業があればいいよなぁ」と
まるでシンデレラとかの童話を聞いている
ような感覚になります(笑)
・・・挑戦者の皆さんと農業に取り組める日を
心待ちにしています。
今回は、「牧場便り~七転八倒エピソード6~」を
題材とさせて頂きました。
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ございます。
また次回をお楽しみに~
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